スタッフ紹介

活躍する元教員・専攻医修了生

  • 高田 俊彦
    Assistant Professor
    Julius Center for Health Sciences and Primary Care University
    Medical Center Utrecht

    高田 俊彦
    略歴
    千葉大学医学部医学科/千葉西総合病院臨床研修医/千葉大学医学部附属病院総合診療部/君津中央病院総合診療科/京都大学大学院社会健康医学系専攻/福島県立医科大学白河総合診療アカデミー/現在に至る
    私の診療
    総合診療医として、病歴・身体所見を重視した臨床推論のトレーニングを積んできました。特に原因不明・診断困難例へのアプローチを得意としています。
    私の研究
    日々の診療で遭遇するリサーチクエスチョンに基づいた研究を実践し、得られた知見を臨床に還元することを目指しています。診断精度研究、予測モデル研究を専門としています。
    大切にしている言葉
    松岡修造さんの言葉に日々勇気をもらっています。

福島に総合診療の臨床研究のメッカを立ち上げるらしい

臨床医として修練を積んで10年が過ぎた頃、日々遭遇する疑問に対する答えを教科書や論文で調べるだけではなく、自分自身で研究を行い、解き明かしたいという欲求が芽生え、私は京都大学社会健康医学系専攻医療疫学分野の門を叩きました。そこで出会った同僚から耳にしたのが、冒頭の言葉です。同分野の福原俊一教授が、全国で活躍する総合診療のエキスパートを集めて、臨床はもちろん臨床研究の教育、実践も行うという、まさに自分が夢に描いていたような部門を立ち上げるということでした。すぐに福原先生にお願いし、仲間に加えていただきました。アカデミー在職中は、地域の中核病院である白河厚生総合病院で週の半分を臨床、残りの半分を研究に当てるという、非常に恵まれた働き方をさせていただきました。研究面では、自分の専門の診断精度・予測モデル研究だけではなく、自治体の方々と連携しながら、地域の健康増進につながる企画に数多く携わらせていただきました。風光明媚な白河の地で、全国から集まった仲間たちと、臨床および研究の両面で鎬を削った日々は本当に幸せな時間でした。

福島に総合診療の臨床研究のメッカを立ち上げるらしい

3年半の勤務の後、診断精度・予測モデル研究について、より深く学ぶためにオランダのユトレヒト大学に留学しています。留学先との交渉や奨学金への応募などに際しても、福原先生、前原先生に多くのサポートをいただきました。この場を借りて、御礼申し上げます。現在は、世界各国の研究データを収集、統合して解析を行うIndividual Participant Data Meta-analyses (IPD-MA)という手法を用い、肺塞栓症の診断アルゴリズム(Wells scoreなど)の評価や新しい予測モデルの開発といったプロジェクトに携わっています。帰国後は、留学で学んだことを活かし、日本の臨床研究の発展に貢献できればと考えています。