短期研修生の声
飯塚病院総合診療科後期研修医の齊藤悠太と申します。今回、白河総合診療アカデミーで2か月間の短期院外研修をさせて頂きましたので、その実際を述べさせていただきます。
白河総合診療アカデミーは福島県白河市にある白河厚生総合病院に本年度4月から新設された講座であり、プログラムの特徴は、「臨床診療と臨床研究を両立して行う」ことです。他に類のないプログラム内容に魅力を感じ、臨床研究に関する基礎を学びたいと考えて研修を希望いたしました。
日々の業務は、スタッフと後期研修医で、病棟、外来、救急、研究を日によって担当を分けて行います。病棟の患者さんは平均20人前後で、朝晩2回のカンファと回診で全員が情報を共有します。病棟担当日にはその日毎に必要と判断した検査や治療を行います。外来・および救急車担当日には後期研修医が初期診療を行い、自身の診療に対して上級医からフィードバックをもらうことができます。研究日には研究経験のある指導医から直接指導を受けながら研究テーマ設定から研究デザインの作成を行います。この研究日という「protected time」があることで、集中して研究に取り組むことができます。
私の場合は2か月間という限られた期間であったことから、研究計画書作成までを目標としました。週2日のprotected timeが確保される、研究に比重を置いた研修プログラムとなりました。アカデミースタッフであり、京都大学医療疫学分野にも所属する高田俊彦先生からご指導いただくとともに、研究に必要な知識をe-leaning形式で学ぶ「eMAP」という遠隔学習プログラムの受講を並行して行いながら、日々の診療から生じるクリニカルクエスチョンのリサーチクエスチョンへの変換からデザイン計画の立案までを行っていきました。結果、「肺炎患者に対する早期抗菌薬投与と臨床状態安定化の関連」というテーマに関して研究計画立案まで至ることができました。 診療面では国内有数の臨床研修病院で教育経験のあるスタッフによる指導を受けることができました。リウマチ専門医、血液専門医、がん薬物療法専門医でもある東準教授をはじめとしたスタッフの指導の下、血管炎や原発不明癌などの悪性腫瘍の診断から入院治療、さらに外来での継続診療まで担当させていただいたことは貴重な経験となりました。
 充実した研修内容は勿論ですが、私が今回の研修で得た最大の成果は、院内医療スタッフと患者さんとの心の触れ合いを見て再認識した、「病気でなく患者を診る」という医療の本質です。ともすると忙しい日々の診療で忘れがちになりますが、患者により異なるメンタルヘルスや社会的背景への洞察、地域医療との関わりまでを考慮する総合診療の大切さを教えていただきました。
最後に、今回の研修の機会を与えてくださった飯塚病院の皆様と、ご指導いただいた白河厚生総合病院のスタッフの皆様に心から御礼申し上げます。