2023年8月7日
アカデミー教員がかかわった論文がEuropean Heart Journalという循環器領域のトップジャーナルに掲載されました
https://doi.org/10.1093/eurheartj/ehad417
肺塞栓症は見逃すと致死的な疾患ですが、呼吸困難や胸痛といった非特異的な症状を呈するため、その診断は容易ではありません。そのため、肺塞栓症の可能性を評価する予測ルールが数多く報告されてきました。しかし、既存の肺塞栓症予測ルールは肺塞栓症の確率がどれくらいあるかを定量的に評価するものではなく、また予測因子に“肺塞栓症が最も疑わしい”といった主観的なものが含まれているなどの問題がありました。今回の論文では、既存の肺塞栓症に関する16の研究から約28000名の患者データを抽出し、患者毎に肺塞栓症の可能性が何%あるかを見積もることが可能な予測モデルを開発しました。今後の研究ではモデルの外的妥当性の検証や臨床的インパクトについての評価を行っていく予定です。本研究はエディトリアルでも取り上げられています。